「怪しい!教えなさい!」
「勉強してただけだから!向こうだって受験があるわけだし」


由紀ちゃんは顔を真っ赤にしながら話していたから、逆に怪しいのは確かだった。



「由紀、顔真っ赤だよ?」
「さ、寒いからしもやけ!」
「それしもやけだったら逆にやばいでしょ」


莉子ちゃんも風和ちゃんも由紀ちゃんを攻め続ける。
そのため、由紀ちゃんの顔が赤くなるばかり。


三人のやりとりを見て、なんだか心が温かくなっていると、近くで女の子数人が騒ぐ声が聞こえてきた。


「ちょ、聞いてよ!柊くんと青谷くんがイケメンすぎてやばい……!」

「やっぱり今年もこの二人が目立つよね!
写真撮ってきちゃった!」


話の内容に宏の名前が出てきて、思わずドキッとしてしまう。


そっか、男子はサッカーだから宏の得意競技だ。
だって宏は中学生までサッカーをしていたから。

うまかったから高校でも続ければ良かったのに、高校では続けていない。