やっぱり宏の言葉や行動一つで、私の気持ちが左右される。


「こんな真っ赤にして、誘ってるようにしか見えないけど」


宏は私の頬に手を添えながら、小さく笑われてしまった。


恥ずかしい。
触れられた部分がさらに熱くなった気がした。


ダメだ。
ドキドキしすぎて逆に胸が苦しい。


「美羽、目閉じて」
「い、嫌だ……ここ、外」

「誰も見てないよ」
「そ、それでもダメ」

「無理矢理してほしいの?」
「……っ」


宏にはもう、キスしないという選択がないらしかった。


諦めて、目を閉じる……だなんて、もしかしたらそれは言い訳かもしれない。



宏に、キスされるのが素直に嫌じゃなくて。
目を閉じた数秒後に、優しく唇を重ねられた。