「……その答えは面白くない」
「えっ?」
観覧車の窓の外を立ちながら眺めている私を、宏は席に座りながらつまらなさそうに見つめてきた。
「宏?」
「美羽は俺の気持ち考えてくれない」
「そ、そんなことないよ……?
もしかして、気に障ることでもしちゃった?」
私って気配りとか下手くそだから、知らない間に宏を怒らせたのかもしれない。
不安になって聞くと、宏はため息をついた。
「もうさ、美羽ってバカすぎる」
「ば、バカって……知ってるもん」
宏は私のことをバカにしてくる言葉ばかり言ってくる。
本当にひどい。
少し拗ねてやると、今度は楽しそうに笑うからさらにひどい。
そんな宏から顔を背けるため、反対側を向く。
「……っ」
するとなんということだろう。
私たちの後に乗った由紀ちゃんたちのゴンドラが見えた上に、なんと二人は……キス、していた。



