ーーー私たちの順番がまわってきて、先に私と宏が乗る。
「うわぁ、久しぶりだ観覧車!」
「美羽、はしゃぎすぎ」
「動いてる!動いてるよ宏!」
ダメだ、さっきから興奮が止まらない。
本当に久しぶりすぎて、すごくワクワクしていた。
「……精神年齢五歳」
「ふんっ、五歳でいいもんね」
宏はバカにしたように笑ってくるけれど、気にしない。
今は観覧車を堪能するんだ。
「うわぁ、綺麗」
もうこの時期は夕方になると陽が沈むのが早く、オレンジ色の空になっていた。
「タイミング、良かったね」
「うん!この時間帯に乗れて良かった」
「俺と二人で乗りたかったんだ?」
「そうだよ!そのおかげで由紀ちゃんたち、二人きりになれたから」
今頃、ドキドキしながら二人で乗っているのかなと想像すると、なんだか甘酸っぱい気持ちになる。



