「観覧車、好きなの?」
「大好きです!観覧車から見える景色とか、中の空間とか全部……!」
「ははっ、じゃあ乗ろっか」
佐藤先輩は私の言葉を聞いて笑いながらも了承してくれた。
「やった!宏、観覧車!」
「そうだな」
「嬉しい!楽しみだね」
「美羽ってこういうところ、子供っぽい」
「だって好きなんだもん、大好き!」
遊園地の最後を観覧車で終われるだなんて最高すぎる。
観覧車の前に行くと、何組かの人が並んでいて、その多くがカップルだった。
「すごい人気だね、観覧車。
恋人同士と行くところなのかな?」
「そうなんだろうね」
宏が頷いたところで、パッと頭にある案が浮かんだ。
「ねぇねぇ宏」
「どうしたの?」
「私、宏と二人で乗りたい!」
「は?」
さっきまでいつも通りだった宏が、私の言葉を聞いて大きく目を見開いた。
そ、そんなに驚くことなの……かな。



