「あれ、あの二人どうして列から外れちゃったんだろ……」
「知らない。ああいうの、堂々としてるのが恥ずかしくなったんじゃない?」
宏は満足気に笑いながらそんなことを言うから、何か引っかかる。
「宏、もしかして何かした?」
「さー?ちょっと見てただけだよ?」
「絶対何かした!」
「してないよ。見てただけなのに、どっか行っちゃった。それに美羽には刺激強かったでしょ?」
見てただけって……絶対怪しい。
だけど刺激が強かったのは事実で。
「まあ俺たちも、ああいうことしてるんだけどね」
「……っ」
宏は私が恥ずかしいことばかり言う。
また熱くなる顔を手で仰ぎながら、私たちにレジがまわってくるのを待った。



