「痛いよ宏」
「痛そうじゃない」
「鬼だ」
「今ここでキスしてもいいんだよ?」
「……っ」
“キス”という言葉に、過剰な反応を示してしまった私は、途端に顔が熱くなった。
「なに、してほしいの?」
「ち、違う……!」
パッと宏から顔を背ける。
恥ずかしい、何意識しているんだ。
何もされていないのに、またドキドキとし始めて。
「美羽らしくない」
「そ、そんなことないよ……!私お腹すいた!」
怪しむ宏から逃れるようにして、食べ歩きのできる売店を探す。
「あっ、あった!
見て見て宏、可愛いキャラクターの食べ物がある!」
ここの遊園地にはオリジナルキャラクターがいて、そのキャラクターをモチーフにした食べ物があった。



