クール系幼なじみの溺愛暴走警報



もちろん二人が先に前を歩いているため、私たちはバレずにその場を離れることができた。


少し歩けはあっという間に人混みに紛れ、もう二人の姿を確認することができなくなるほど。



「簡単に成功したね」
「うん、二人の世界に入ってたから」


二人の世界。
宏がそんなこと言うだなんて、なんだかロマンチック。


「ふふっ」
「……なに、笑って」

「宏がロマンチックなこと言ってるなぁって思って」
「……馬鹿にしたんだ?」


宏がむすっとする。
拗ねてしまった。



「馬鹿になんかしてないよ?
宏らしくないなって」

「もう俺は怒りました」
「えー、ごめんってば宏。私たちはどれに乗る?」

「話を変えない」
「バレちゃった」


宏は拗ねたまま、私の頬を軽くつねる。