そもそも、私が青谷くんのことを好きだと勘違いした時。
宏は私に言った。
それは一時的なもので、好きとは言わないって。
確かにそうだった。
青谷くんのそばにいるだけで、ドキドキしたり苦しくなったりなんてしなかった。
それに、宏の隣にいる時と抱く感情が違う。
触れられてドキドキすることはあった。
だけど、それこそ男慣れしていないからで。
宏のそばにいると、感情が激しく動かされる。
ドキドキも苦しみも安心感も全部。
それも宏のそばにいる時だけだ。
これは、どう説明すればいい?
ただ一つだけ、確信を持てることがある。
それは、もう私は……“幼なじみ”だった頃の宏として見れないことだった。



