「ほ、ほら宏も……」
「……柊宏人です」
私が促してようやく口を開いたかと思えば、名前を言うだけでまた口を閉じてしまった。
忘れていた。
宏は周りにはクールで素っ気ない人だったんだ。
それでも、先輩相手に今の態度はさすがにダメなんじゃないかなって思ったけれど、佐藤先輩は気にせず笑っていたから安心した。
「いやー、噂通り美男美女のカップルだなぁ」
「えっ……噂通り?」
佐藤先輩の何気ない言葉に引っかかった私は、思わず聞き返してしまう。
「二人は三年でも有名だからね。
あっという間に二人が付き合ったのも広まってるよ」
「さ、三年まで……!?」
本当に年関係なく学校中に広まっているだなんて……それぐらい宏は有名なのだ。



