「頑張った……」
「うん、頑張ったね」
「恥ずかしくて動けない」
「でもね、美羽。もうすぐ家でないと電車に間に合わないよ」
「うう……じゃあギリギリまでこうする」
「ギリギリね、わかった」
宏は小さく笑いながら、私の頭を撫でる。
宏には余裕があってすごいな。
私だけがここまで恥ずかしくなって、ドキドキしている。
いつからだろう。
いつから私はこんなにも宏の行動や言動一つに、感情を大きく動かされるようになったのか。
ドキドキしたり、悲しくなったり、苦しくなったり。
相変わらず宏のペースにのまれる私だったけれど、嫌じゃないし、むしろこのままでいたいって素直に思ったんだ。



