「はい」
「美羽、ドア開けて大丈夫?」
ドア越しに聞こえたのは宏の声で、思わず緊張してしまう。
……大丈夫。
朝のことはきっと夢だったんだ。
だって目を開けて見たわけじゃないし、宏だって確認したわけでもない。
だから大丈夫、と自分に言い聞かせ、言葉を返した。
「大丈夫だよ」
宏は私の言葉を聞いてから、ガチャリとドアを開けた。
だけど私と目が合うなり……その場で固まってしまう。
「宏……?」
じっと宏を見つめれば、彼はゆっくりと私に近づいてきたけれど……なんだか危ない気がする、のは気のせい?
すると宏は私をぎゅっと抱きしめた。
「えっと……どうしたの?」
「今日、断ろう」
「えっ?」
今、宏はなんて言った?
今日断ろうって……言わなかった?



