なんとか戸惑いを隠そうと、宏の胸元に飛び込んだ。
「……っ、美羽何して」
「宏、抱っこ」
態度について怪しまれないようそう言ったのは良かったけれど、あまりに大胆なことを言った自分が恥ずかしくなる。
だけど言ってしまったからには仕方がない。
あとは宏の反応に任せるほかなかった。
「……朝から俺をどうしたいの?」
「自分で動きたくないから抱っこしてもらう」
自分から甘えるのってこんなにも恥ずかしいんだなと思いながら、熱くなる顔を隠すように力強く抱きついた。
「朝から心臓に悪い」
ため息をついた宏は、ひょいっと私を抱き上げる。
お姫様抱っこというものをされ、さらに私は恥ずかしくなった。
思わずおろしてと言おうとしたが、自分が頼んだのだ。
ぎゅっと目を閉じ、一階に着くまで我慢する。



