「美羽、もしかして夜更かしした?」
「し、してない……」
「じゃあ今日が楽しみすぎて眠れなかったんだ?可愛い」
宏、どういうこと?
さっきの別人のような宏は……何?
わからない。
私の知らない宏が、まだあるの?
恐る恐る宏の顔を見る。
「それはどういう顔?」
視界に映るのは、穏やかに笑う宏の綺麗な顔。
一度も染めたことのない黒い髪が、宏のかっこよさをさらに際立たせている。
「ううん、今日楽しみだね」
「楽しみそうに見えないけど、熱でもある?」
「ないよ……起きる」
今は何故だか宏のことが見れなかった。
「美羽、なんか様子変だよ。
何かあった?」
心配そうに私を見つめる宏。
私が聞きたい。
さっきの宏の変わりようはなんだったのって。
もちろん聞くのが怖くて、言葉にすらできないのだけれど。



