「ひ、宏ごめ……」
「でも、それ以上に嬉しかった」
「えっ……?」
宏はまた、謝ろうとした私の言葉を制してきた。
わざとなのだろうか。
だとしたら、まだ怒っている?
「動いたらダメ」
不安になって顔を上げようとすれば、頭の後ろに手を置かれてしまい、それができなくなってしまった。
「ちゃんと全部聞いて」
「う、うん……」
言われた通りじっと固まり、宏に抱きしめられながら次の言葉を待つ。
「美羽が、俺のこと必要としてくれたでしょ?
助けてって、お願いって。
抱きしめて欲しいなんて大胆なことも言ってさ、もうキレてる自分がどうでもよくなるくらい嬉しかったよね。
まあ元々無自覚だし、反省してるのはわかってたんだけど」
宏は、必要とされて嬉しかったの?



