「可愛いね、美羽」
宏はそう言って私の頭をぽんぽんしてから、離れてしまう。
そして移動したかと思うと、カーペットの上ではなくベッドの上に腰をおろした。
「宏?どうしてベッド?」
「横になりたいから」
「寝ちゃうの……?」
それはなんだか寂しかった。
さっきみたいにぎゅっと抱きしめてほしかったのに。
今の私にはそんなことが言えずにいると、また雷が鳴ってビクッと肩が震える。
「寝るのもいいね」
「うう……」
耐えきれなくて、私は宏のそばに行く。
「宏……」
「何?」
「抱きしめてほしい」
さっき許してもらったばかりだったからこそ、こんな風にお願いするのはどうかなって思ったのだけれど、我慢できなかった。



