「……ひ、宏……?」
布団から出て、ベッドから降りる。
焦りすぎてバランスを崩し、転びそうになりながら部屋を出た。
モニターを確認する前に、もう一度インターフォンが鳴った。
「……っ!」
モニターを確認すると、やっぱり宏が立っていて。
慌てて玄関のドアを開けに行く。
「宏……!」
嬉しさのあまり、勢いよくドアを開ける。
そんな私を見た宏は、一瞬目を見張った。
そして飛び出しそうな私を家の中に入れるようにして、中に入った。
「そんな顔しない」
「宏、あのね……」
「話はあとで。ここ玄関だから」
今すぐ謝ろうとしたら、宏に遮られてしまう。
怒っている様子ではなかったから、安心して私は先にリビングへ行くけれど、途中で宏に腕を掴まれた。



