クール系幼なじみの溺愛暴走警報



「わかった」
「えっ……?」
「私でよければ、大丈夫だよ」

「ほ、本当!?」


由紀ちゃんは途端に嬉しそうな顔に変わり、私に抱きついた。


「美羽ありがとう……本当にありがとう……良かったぁ」


由紀ちゃんは安心したように息をつく。
それだけ必死だったのだ。



「でも、柊は大丈夫かな?」
「大丈夫だよ、きっと!頑張って誘ってみるね」
「本当にありがとう、美羽」


喜ぶ由紀ちゃんを見て、力になれたのなら私の方こそ嬉しいなって思った。


それからは詳しい日程や時間を聞き、今日の放課後宏に言おうと思った。

きっと宏ならいいよって言ってくれる……と、思ったのだけれど。



「……嫌だ」
「えっ」


放課後、いつもの帰り道。
今日は一日中雨のため、傘をさして歩きながら、宏は一通り私の話を聞いてそう言った。