クール系幼なじみの溺愛暴走警報



青谷くんはまた男の子たちに話しかけられ、私から視線を外す。


私も自分のカバンの中に視線を向け、プリントをまとめて入れているファイルや筆箱を取り出した。



「美羽!助けて!!」
「うわっ……び、びっくりした。由紀ちゃん、そんなに焦ってどうしたの?」


由紀ちゃんがすごい形相で私の席へ来たものだから、驚いてしまった。


「へ、ヘルプです!」
「ヘルプ……?」


すると由紀ちゃんは私の右手両手で包むようにしてを握った。


「こ、この間息抜きで先輩と遊ぶって言ったでしょ?」
「う、うん」


「それの日程と場所が決まって」
「そうなの!?良かったね!」

「違う!そうじゃない!」
「へ?」
「問題は場所なの!遊園地のチケット、用意してくれたみたいで……」


遊園地。
ここ最近は全く行っていないから、久しぶりに行きたいなって思ったけれど、由紀ちゃんの様子からしてそれどころじゃないということはわかった。