「どこで折れたんだ!?」
「もう学校着く寸前で。だから大丈夫だろって思ったけど無理だったな」
人は無理をするものじゃないって、名言みたいなことを言う青谷くんに笑いそうになったけれど、必死で堪える。
だって私はその話の輪に入っていない。
笑ったら変に思われてしまう。
「自転車組って風の抵抗倍受ける気がしないか?
歩き組より」
「うわっ、すっげぇわかる!」
「雨の日は電車の方がいいんだろうけど、時間かかるからな」
青谷くんの何気無いこの一言に、私はなぜか引っかかった。
自転車組……って、青谷くん、雨の日は電車でくるんじゃなかったの?
思わず戸惑ってしまう。
じゃあもしかして、この間はわさわざ電車で帰ってくれたってこと…,…?



