「捕まえた」
「なっ……」
「美羽って、やっぱり素直すぎ。そういうところも全部可愛い」
宏はぎゅっと私を抱きしめる。
離れようとしても、力が強いため動けない。
ただじっとするしかなかった。
「最低、騙すなんてひどい」
「騙された方も悪い」
「そんなことないもん。宏のバカ」
「うん、そうだね」
バカと言う私に対し、宏はただ小さく笑って軽く流すだけ。
「強引な宏なんて私は知らない……」
「もっと俺のこと知っていって」
「知りたくない、今までの宏がいい」
なんて言いつつも、暴れずに宏に身を任せている私に説得力なんてないだろう。
「美羽、勘違いしてる」
「勘違い?」
「さっきの話。
俺、学校ではすごく我慢してるの知らないよね?」
「あ、あれで!?」
「あれで」
学校でも平気で触れてくるのに、あれで抑えてるってなったら一体どうなるんだ。



