「……ごめん」
「えっ……」


「美羽のこと嫌な気持ちさせて、ごめん。
気づかなくてごめん」

「ひ、宏……?」



宏を見ただけで、すごく落ち込んでいるのがわかる。
怒られた後の素直に謝る子供のように、しゅんとしていて反省の様子。


「嫌だったよね。俺のことうざいと思ってた?」
「う、うざいってわけじゃ……ただ、学校ではもっと考えて行動してほしくて……」


ダメだ。
いきなりこんな素直に謝られても困る。


「ごめんね美羽」
「ほ、ほらそんな落ち込まないで」


ひどく落ち込んだ様子の宏を慰めようと、彼に近づく。


「わかってくれたらそれでよくて……きゃっ!?」


そして宏に触れる前に、突然腕を引かれてバランスを崩してしまった私は、彼に向かって倒れ込んだ。