今日は雨だったから、湿気で髪がボサボサになるため、後ろで一つにまとめて束ねた。
髪の毛を束ねるのは久しぶりな気がして、なんだかイメチェンした気分だ。
「宏、準備できたよ。もう行く?」
ソファに座っている宏に声をかけると、彼はこちらを向いた。
かと思えば、少し目を見張るだけで反応を示さない。
「宏……?」
「……美羽、雰囲気変わったね」
「そうかな?髪の毛束ねたくらいしか変化ないけど……」
髪型一つで雰囲気が変わるんだな。
「こっちおいで」
すると宏は私を呼んだ。
だけど私は素直に断る。
「嫌だ。宏、学校行くよ?」
「まだ時間ある」
「早く着く分にはいいから」
「美羽、早く来て」
「嫌だもん、私は宏の行動に怒ってるんだからね!」
一週間経って、ようやく宏に不満が言えた私。
どこかスッキリした気分だ。



