洗面所にある鏡の前に立ち、くしで髪を梳かしてアイロンではねているところを伸ばす。
その作業をしながら、さっき宏に対して簡単に心を許してしまった自分に反省していた。
宏の行動に私は怒っているのに、彼のそばにいると彼のペースにのまれるのだ。
それじゃあダメだとわかっているのに、私よりも宏の方が何枚も上手。
「……はぁ」
その結果、学校中で私たちの噂をされている。
実際付き合っていることになってるのだけれど、簡単に受け入れられるわけがなかった。
それに、最近宏のそばにいると疲れてしまう。
宏の相手に、じゃなくて自分の感情の変化が激しくて。
特にドキドキと胸がうるさくなって、一番困っていた。



