宏が私の頭をそっと撫でる。
そんな優しい顔をしてこんなことをされたら、怒ったり言い返すことなんてできない。
「…………」
「もうこれからは幼なじみじゃないから」
もう一度、私に触れるだけのキスをする宏。
まるで誓いのキスのように。
されるがままの私は、何も言えずに宏を見つめることしかできない。
「可愛い、こんな顔真っ赤にして」
「……っ」
今この瞬間もドキドキしていて、恥ずかしい。
できれば今すぐ逃げ出したいけれど、宏が覆い被さっているからそれができない。
「これからはもっと甘いことしようね」
「し、しない……」
「本気で嫌ならもっと抵抗すればいいよ」
「そ、それは……」
違うの。
嫌じゃないの。
だからってこんなこと、幼なじみとするのはおかしいと思い、自分でもどうしたいのかわからない。
ドキドキして、恥ずかしくなって。
まるで宏に私の感情が操られているかのように、動かされるんだ。