「わからないの」
「それならわからないままでいい」
「えっ……」
「決定事項ね。これからは恋愛禁止だから、わかった?」
「そ、そんなの頷けるわけな………んっ」
口を開こうとすれば、宏は制するようにしてキスしてきた。
ずるい、ずるい。
こうやって私をドキドキさせて、有無を言わせないだなんて。
こんなやり方ずるすぎる。
わかっているのに……ドキドキして、顔が熱くなって、恥ずかしくなって。
目をぎゅっと閉じる。
全部、宏の思い通り。
これでまた何か言えば、きっと宏はキスしてくる。
私にはわかるんだ。
「美羽はいい子だから、わかってくれるよね?」
「宏、強引だよ……」
「他の男と接触した美羽が悪い」
それなのに私のせい、だなんて。
青谷くんとは私のことを友達として、仲良くしてくれているだけなのに。