「ここじゃ無理だよ、幅がない」
「うん、だから美羽が下ね」
「えっ、ちょ……」
私が動く前に、宏は私をゆっくりソファの上へと押し倒した。
さっきまで私に抱きついていたはずなのに、今は覆いかぶさっている。
「宏……?」
視界いっぱいに映るのは、宏の綺麗な顔。
それに宏は笑っていたけれど、なんだか作り笑いに見えた。
その瞬間、今の宏が“今までと違う”ことに気がつく。
宏の名前を呼ぶけれど、彼は笑顔をみせるだけで反応しない。
その時、私が羽織っている上着のポケットに違和感を感じた。
「ひ、宏……何して」
「あった」
「へ?」
宏はそう言うと、ポケットの中の重みがなくなり、軽くなった。
そして宏は私のスマホを手にしていて、それを取られたのだと気づく。



