「こっちも美味しいね」
そこまで言って、はっとした。
何宏の思い通りになっているんだ、私!
「美羽、可愛すぎ」
「うう……じゃあ、宏も食べて」
私も宏と同じようにチョコケーキを差し出す。
たまに学校で宏がお箸を忘れた時に食べさせていたから、これにはもう慣れている……はずなのに。
宏の綺麗な顔が近づいてきて、チョコケーキをパクッと食べた。
あれ、おかしいな。
何故だか緊張するっていうか、綺麗な宏の顔に思わず目がいってしまって恥ずかしい。
なんか、こんなにも宏って大人びていたっけ?
甘えん坊なはずなのに、一人の男の人にしか見えない。
「美味しい。でも、甘いな」
「そ、そう……?これが好きなんだよ」
少しドキドキしてきて、宏の方をうまく見ることができない。



