「いただきます!」
私は上機嫌のまま、ケーキを口へと運ぶ。
チョコレートの甘みが口いっぱいに広がって、本当に美味しかった。
「やっぱりここのケーキが一番好き……!」
「そうだね。俺は幸せそうに食べる美羽を見るのが一番好き」
「何それ、絶対バカにしてる」
「本心だよ」
いつもならまだ何かを言い返す私だけれど、今はケーキで夢中のため、それで会話が終了した。
少しの間、黙々と食べ進めていた私だったけれど、あまりの美味しさにまた口を開く。
「この美味しさ、是非とも宏に共有したいな」
「……美味しいんだなっていうのは美羽を見たら伝わる」
「そうじゃないんだよね、味を共有したくて……宏、食べてみてよ」
そう言って宏に食べてもらおうとするけれど、その前に彼に流されてしまう。
「こっちも美味しいよ?ほら、食べてみて」
差し出されたのはチーズケーキ。
宏に食べてもらうという本来の目的を忘れ、私は迷わずそれを口へと運んだ。
俗に言う“あーん”ってやつだけれど、宏とこんなことをするのはもう慣れっこだ。
昔から一緒なわけだし、もちろんこれも初めてなんかじゃない。



