「……っ」
突然のことで、顔が熱くなってしまう。
「桜って、意外と照れるよな」
「そ、そんなことは……」
ないって言い切りたいけれど、実際すぐに恥ずかしくなってしまうから事実だ。
「そういうところも桜らしくて可愛いんだけどな」
「か、可愛い……!?あ、青谷くん何言って」
「本当のことだからな」
「なんか今の青谷くん、少し変……だよ?」
今のっていうか、今日の放課後からどこかいつもと違う。
いい意味か、悪い意味かはわからなかったけれど、私の知らない青谷くんを見ているようで少し戸惑ってしまう。
「桜の前だけだから」
「え?それじゃあ答えになってないよ」
「十分答えになってると思うけどな。じゃあ雨ひどくなる前に帰ろう、俺」
青谷くんは私の言葉をさらっと流し、私に笑顔を見せた。
「じゃあな、桜。
風邪ひくなよ?また明日」
人懐っこい笑顔だったけれど、青谷くんの真意がわからない。
不思議に思いつつ青谷くんにもう一度お礼と別れの挨拶をして、彼が曲がって見えなくなったのを確認し、私は家の中へと入った。



