「悪い、引っ張りすぎたな」
「えっ……ううん、大丈夫だよ」
青谷くんは私に謝り、手を離した。
だから私も青谷くんから離れ、少し距離をあける。
そのため、左肩が濡れてしまうけれどそんなことを気にしている暇じゃなかった。
だけど、門を出て少し歩くと突然、青谷くんに肩を抱き寄せられた。
「あ、青谷くん……!?」
反射的に青谷くんを見たけれど、思った以上に彼との顔の距離が近くて慌てて顔を背けた。
「あ、あの……」
「肩、濡れるから」
雨の音しか聞こえない帰り道はひどく静かで、その中にいる私たちはまるで世界から切り離されたかのようだ。
そのため、青谷くんの声がいつもより低く聞こえ、耳にはっきりと届く。



