クール系幼なじみの溺愛暴走警報



「さ、最悪だ……」


校舎の外に出たら、雨が降っていた。
それも結構な量で、思わず立ち止まってしまう。


「……桜、傘ないのか?」
「あ、えっと……だ、大丈夫!」


「それじゃあ答えになってないけど。じゃあ、はい」
「え?」
「男用でよかったら使って」


あまりにもさらっと言って渡されるものだから、受け取ってしまいそうになるけれど、それだとダメだ。


「あ、青谷くんの傘がなくなっちゃう……!」
「だって桜、電車だろ?」

「電車だから大丈夫なんだよ!
確か青谷くんは、自転車だよね?」


朝に何回か、自転車登校をする青谷くんを見たことがあった。



「……いや、電車」
「え?」
「今日は、雨かもしれないから電車で来たんだ。
だから一緒の傘に入ればいっか」


青谷くんはそう言って、黒地で柄のない大きな傘を開いた。