クール系幼なじみの溺愛暴走警報



「青谷くんにやらせてばっかだよ、私……」
「俺が勝手にやってるだけだから。よし、終わった!」


落ち込む私とは違い、青谷くんは掃除が終わって嬉しそうな表情をしていた。



「先生に連絡して帰ろう」
「あ、あの……!」

「ん?どうした?」
「本当にありがとう」


せめてお礼はちゃんと言いたかったから、青谷くんに伝える。


「……どういたしまして」

青谷くんは私の言葉を聞いて、目を細めながら優しく微笑んだ。


その後は雑巾を返しに行って、窓を拭いた後の手を水道で洗った。


「結局手を洗ったから一緒だったね」


雑巾を返した後に手を洗うということをすっかり頭から抜け落ちていた私。

それならあの時、自分でやれば良かったなと今更後悔。


「俺もすっかり忘れてた。
意味ないってダサすぎだろー、かっこつけたのにな」


どうやら青谷くんもその事実に気づいていなかったようで、お互い笑い合う。