クール系幼なじみの溺愛暴走警報




手の体温が奪われていって、だんだんと冷たくなる。

さらに追い討ちをかけるようにして窓を開け、反対側を拭こうとすれば冷たい風が吹いた。



「寒っ……」
「……窓の裏は俺が拭くから、桜は廊下側の方を拭いていって」

「そ、そんなの青谷くんが寒いから……」
「俺実は寒がりだから、中にめちゃくちゃ厚着してて暑いくらい」


な?と同意を求めれ、素直に頷いた。
意地悪な青谷くんは優しくもあった。


「ごめんね」
「平気平気、風邪とかひかれたら困るし。
桜、体弱そうだから」

「そ、そんなことない……!やっぱり私がやる!」
「冗談だって。ほら、早くしないと終わらないぞ?」


それを言われてしまえば、何も言い返せない。
言い返すことを諦め、私は窓拭きを再開した。