クール系幼なじみの溺愛暴走警報




ーーー蛇口をひねり、そこから水が出て雑巾を濡らす。

冬の訪れを感じるくらい、水が冷たかった。



「うわー、すげぇ冷たいな。
よりにもよって窓拭きとか、地獄だ」


一度、保健委員は一つの教室に集まり、どこの掃除をやるのかクジを引いた。


そしたら私たちは三年の廊下の窓拭きに当たってしまい、冷たい水で雑巾を濡らしていた。



「どうせなら靴箱周辺の掃き掃除が良かった」
「もうだいぶ寒いもんね」


「桜、絶対冷たいだろ?俺がやるって言ったのに」
「任せるのは良くないし、それに青谷くんも冷たいから」



クジが終わって掃除に移ろうとした時、青谷くんは『雑巾用意してくる』と言って一人でこの冷たい作業をやろうとしたのだ。


それはダメだと思い、私は雑巾を半ば強引に奪って今に至る。


「気にしすぎなんだよ、桜は人のこと。
あんな強引に奪いにくるとは思わなかった。

しかもあの時の桜の顔……くくっ」


「わ、笑わないで!ひどい!」
「あははっ、だってすっげぇ形相してたぞ?」


顔が一瞬のうちに熱くなる。
恥ずかしい。