「悪いが青谷にも連絡しといてくれないか?
もし無理なら誰か代わりでも呼んでいいから、な?
本当に悪い!じゃあよろしく頼む!」
先生は逃げるようにして、私に背中を向けて職員室の方へと帰ってしまう。
「そ、そんな……」
断るつもりはない。
だけど、何ていうか……もっとないのかな。
あれは絶対に反省していない。
なんて思いつつ、また席へと戻る。
「また委員会の仕事?
大変だね、保健委員って」
莉子ちゃんは気の毒そうな顔で見つめてきたから、素直に頷く。
「うん……先生、連絡し忘れてたって」
「えっ、それはひどい。あの担任、色々抜けてるからなぁ」
確かに担任の先生は抜けている部分が多い。
連絡のし忘れとか、プリントの配り忘れもあった。
先生は忙しいから仕方ないのかもしれないけれど、こういう連絡はせめて前日には言ってほしかったな、なんて文句を言ったところでどうにもならない。



