「だって、由紀。
で、それからどうなったの?」
莉子ちゃんが楽しそうに聞く。
それで観念したのか、頬をほんのり赤く染めた由紀ちゃんが正直に口を開いた。
「せ、先輩と……今度、二人で出かけることになった……けど」
本当に可愛かった。
今の由紀ちゃんは誰よりも可愛くて、キラキラと輝いて見えた。
由紀ちゃんは、同じ部活だった先輩のことが好きなのだ。
「それって、デート!?」
「で、デートじゃない……!先輩は受験生で勉強ばっかだから、息抜き?みたいな……」
「それをデートって言うから!
先輩との恋も萌えるね、見届ける価値がある」
「風和のその考え方はもういいから!」
照れ隠しにきつい口調で話す由紀ちゃんだったけれど、顔は真っ赤で強がっているのがバレバレだ。
この時素直に恋って、人を好きになるのっていいなと思った。



