数学のテストが良かったため、その日は上機嫌で午前中の授業を受けることができた。
そして昼休み。
「なーんか形勢逆転してない?」
「二人の立場変わったよね」
「でもこれもまた最高!男の が好きな子のために本気出す、みたいな!」
三人ともに視線を向けられ、戸惑う私。
一体何の話をしているんだろう。
中でも風和ちゃんは一番楽しそうに騒いでいた。
「もう本当に美羽と柊の幼なじみ最高!
ありがとう美羽、毎日楽しいよ!」
突然風和ちゃんにお礼を言われるけれど、理由なんてわかるはずもなく、曖昧に笑う。
「絶対何かあったよね。気になる。
告白とかされた?」
ここ一週間の私と宏のやり取りを見ていた莉子ちゃんは、まだ何かあったのかと気にしていた。
「まあ別に付き合ってるわけじゃないんでしょ?」
「こういう焦れったいのも良くなってきた!」
そんな莉子ちゃんとは違って、由紀ちゃんと風和ちゃんはさほど気にしていない様子。



