「宏……!」
「どうしたの?」
チャイムが鳴ると、真っ先に宏の席へと向かう。
「テスト……!
すごく良かったの!」
勢いよく宏にテストを見せる。
百点満点中、八十五点。
きっともう二度と取れないんじゃないかってくらい、いい点数だ。
もちろん私にしたら、だけれど。
「美羽、頑張ってたからね。
偉い偉い」
宏は優しく笑い、私の頭を撫でた。
「宏のおかげだよ!」
「俺のおかげ?俺は教えただけだから、頑張ったのは美羽だよ」
「そうだけど、宏が教えてくれたから!」
「そっか」
宏は私の言葉を聞いて、嬉しそうに笑う。
「またいつでも教えるから」
「本当?ありがとう!」
いつも勉強のことは宏に頼ってばかりだなと思いつつも、感謝の言葉を口にした。



