ーーー「先週のテストを返すぞー」
数学の時間。
先生の一言で、みんなざわざわと騒ぎ出す。
先週のテスト……つまり、宏に教えてもらって解いた小テストの結果だ。
私の中ではできた方なのだけれど、計算ミスとかをしていたら、点数が悪くて補習になりかねない。
緊張しながら、私の名前が呼ばれるのを待つ。
「桜ー」
きた。
私の名前が呼ばれ、立ち上がる。
教卓の前まで行き、先生にテストを差し出された。
そして恐る恐る手を伸ばし、テストを受け取る。
先生はリアクション一つとってくれないから、テストの出来の良さが全然わからない。
半分に閉じられたテストを持ち、席へと戻る。
ふと視線を宏の方に向ければ、たまたま彼は私を見ていて目が合った。



