「早く俺だけでいっぱいになって」
「無理だよ……」
「無理とか言わない。俺は諦めないから」
諦めない?
宏は私にどうなってほしいんだろう。
宏でいっぱいになったら、私はどうなるの?
「そんな難しく考えないで。
ほら、おやすみ」
宏はこの一週間で私の扱いに慣れたらしく、頭を撫でられるのが好きだっていうのもばれた。
だから今も頭を撫でられて、私を安心させようとしてきた。
わかっていても、撫でられるのが気持ちよくて目を閉じてしまうわけで。
だんだんと眠たくなってきて、スマホのアラームが鳴るまでまた眠りについた。



