「平気そうな顔はつまらないから」
宏の手が私の頬に触れ、額をそっと合わせられる。
顔の距離が近くなって、またドキドキと胸が騒がしくなった。
「ひ、宏……」
「ほら、そっちの顔の方が好き」
「だ、ダメ」
「美羽がダメでも俺はいいから」
そんなの理不尽すぎる。
「は、離してくれないと宏のご飯はなしにする!」
「えー、それはずるい」
「ずるいのは宏の方だからね!」
私は悪くないのに、私のせいにされても困る。
先に宏がこんな強引なことをしてきたのだ。
「あんまりうるさいと喋れなくするよ」
「そ、そんなことできないくせに」
喋れなくするって、ドラマとかで見る感じのテープや布で口を塞ぐってことだよね?
そんなひどいことを、宏がするはずない。



