「……っ、美羽、何してるの」
さすがの宏でもこの行動には驚いたらしく、声に焦りが含まれていた。
「宏に抱きしめられたらドキドキするから、自分からしようと思って」
そしたらドキドキしないと思っていたけれど、何故か少しだけドキドキしてしまう。
「バカじゃないの?」
「ば、バカじゃないよ」
「こんなことされて、俺が平然といられるとでも?」
あれ、宏の声に落ち着きがない。
「だって勉強頑張ったご褒美ほしい。
頭も撫でてほしいな」
一時間も勉強を頑張ったのだ。
頭を撫でられるだけじゃ物足りない。
「何それ。いきなりそういうこと言わないで、美羽」
「でも、さっきは頭撫でてくれたのに……」
変な宏。
勉強中は私を抱きしめてきたくせに。



