「宏の意地悪、こんな宏知らないもん。
離れてくれないと嫌いになる」
「嫌いになるってことは、どういうことかわかってる?俺に対して恥ずかしがったり、照れたりドキドキしたら嫌いになったとは言わないんだよ?」
「うう……」
そんなこと言われたら完全に私の負けだ。
黙ることしかできない。
「宏のバカ……」
「早く数学解かないと時間だけが過ぎるよ」
そうやって勉強しろと誘導してくるくせに、離す気はないらしい。
そんなの遊ばれてるのも同然だ。
「ほら、それともわからないの?
ここはね」
「……っ」
今度は解いている途中の問題に指をかざし、私の耳元で囁くように言う宏。
そのせいで、全身がゾクッと震えた。
絶対にわざと。
それしか考えられない。



