とりあえず何もされずに勉強を始めることができ、安心した。
「んー……」
ノートを眺めるけれど、残念ながらわかる部分の方が少ない。
というかほとんどわからない。
謎の数式やnとかtとかわけのわからない英語も数式の中に混ざっており、すでに固まってしまう。
「もしかして、全部わからない?」
「そ、それはさすがに……」
とか言いつつ、今回のテスト範囲である最初に板書したページを開いた。
……うん、わからない。
最初だからA問題、つまり一番簡単なところのはずなのに、理解なんてできない。
いや、そもそもこんな数式とか例題を書いた覚えすらなかった。
「……バカ」
「うっ、ご、ごめんなさい」
さすかの宏もこれには呆れたようで、バカと言われてしまった。



