クール系幼なじみの溺愛暴走警報



勉強するために座ったのはいいものの、中々教科書とノートを開く気になれない。


だってもうすぐ宏が来てしまう。
一体どんな顔をして振る舞えばいい?



いつも通りが一番いいのだろうけれど、私には多分それができない。


またため息をついて肩を落としていると、インターフォンが鳴った。


はっと我に返り、立ち上がる。


モニターを覗けば、そこには整った顔立ちをした宏が立っていた。



玄関に行き、恐る恐る鍵を開ける。
そしてゆっくりとドアを開ければ、宏と目が合った。


「お邪魔します」


宏はいつも通りの声のトーンでそう言って、私の目の前までやって来た。


「……美羽?」


そんな宏とは違って、私は中々ドアノブに手をかけた状態で動くことができずにいた。


当然宏は、不思議そうな顔をしている。