クール系幼なじみの溺愛暴走警報



「うう……」
「教えなくていい?」

「夜ご飯食べてからじゃダメ?」
「眠たくなるからな」


ずるい。
やっぱり今の宏はいつもと違って意地悪だ。


「で、どうする?」


宏が悪そうに笑ってる。
そんなの断れるわけがない。


だって補習なんて嫌だ。
数学の先生に放課後も授業を受けるくらいなら、絶対宏に教えてもらった方がいい。



「教えてほしい、です」
「うん、わかった」


宏は私の返答を聞いて、余裕のある笑みを浮かべた。


さっきまでの可愛い笑顔はどこへ行ったんだ。
これじゃあ騙された気分。



「じゃあ美羽、早く家に帰ろう」
「うん……」


複雑な気持ちになりながら、先を歩く宏の隣に並ぶ。
そして私たちは駅までの道を歩いた。