そうだ、もう宏は今までの宏とは違うのだ。
昨日と今日の朝で十分わかったじゃないか。


「ひ、宏やっぱり」
「美羽の料理食べたい」

「えっ?」
「今日、親帰ってくるの遅いから美羽の家で食べる。ダメ?」


うっ……!
そんなこと言われて、さらに可愛くお願いされたら今更断ることなんてできない。


それに今の宏は、明らかにいつもの甘えたがりだった。


「だ、大丈夫だよ」
「本当に?ありがとう、嬉しい」


ほら、今度はそんな可愛く笑っちゃって。
周りに見ているみんなも、きっと今の宏の笑顔を可愛いと思ってる。


「じゃあご飯の準備できたら連絡するね」


いつもは宏が制服を着替えに自分の家に戻った後、すぐ私の家に来るのだけどさりげなく遠ざけてみる。


だってまだ完全に警戒心は消えてないから。