「せっかくだし、手でもつなぐ?」
「えっ!?」


廊下を歩きながら、突然宏がそんなことを言い出すものだから驚く私。


そんなことしたら余計誤解されるに決まっている。



「だ、ダメだよ誤解されちゃう」
「美羽は誤解されるの嫌?」


その聞き方、まるで宏は誤解されたいって思ってるように聞こえる。



「宏は、嫌じゃないの?」
「全然。むしろ嬉しい」
「な、なんで?」


隣にいる宏は本当に嬉しそうな顔をしている。


「夢だったから」
「夢?……あ、そういうことか」


夢という言葉で納得した。
そうだ、私もそうだけど宏も恋人なんてできたことがない。


いや、私と違ってモテるのに作ろうとしないのだ。
だけど、どうやら彼女が欲しかったみたい。