「ひどい……」
「今の桜の表情は拗ねた子供みたいだな。可愛い」
ここまで子供扱いをしてくるひどい人だったなんて、知らなかった。
「子供じゃないよ」
「うん、でも拗ねた顔も可愛いからな。つい拗ねるようなこと言いたくなるな」
まさかの発言で、拗ねるよりも先に驚いてしまう。
拗ねた顔が見たいからそんなこと言うの?
じゃあ私は青谷くんの思うツボだ。
さらにはあの優しく人気者の青谷くんが、実は悪い性格をしているだなんて。
「青谷くん、意地悪な人……。宏と同じだ」
「柊?でもあいつ、桜には懐いていくタイプじゃなかったっけ?」
ギクリとした。
しまった、自分から墓穴掘ってどうする。
そうだ、みんなはまだ宏が甘えん坊って印象付けているのだ。



